第九回ナデシコプログラムレポート(2023.04.15)

~ 五感で学ぶ!人から人へと繋がれる伝統リレー ~

皆さま、こんにちは。2023 Miss SAKE 鳥取の都田亜衣莉です。

2023年4月15日(土)に行われました第九回ナデシコプログラムについて、レポートさせていただきます。

【講義内容】

●歌舞伎座見学

●床風様談義・大銀杏髪結実演(追手風部屋 床山 床風様・大奄美関)

●理学療法士が推薦するお酒との付き合い方~実践むくみ解消メソッド~

(株式会社インダストリアル・リエイゾン専務、Joy of Sake Tokyo事務局、理学療法士 松井理絵子様)

●歌舞伎座見学

本日はまず、東京都中央区銀座にあります歌舞伎座の見学に伺いました。

歌舞伎座は演舞場だけでなく、歌舞伎の歴史や歌舞伎座の変遷が学べるギャラリー、お土産ショップなどもあり、見学だけでも十分日本文化に触れられ楽しむことができます。

( 歌舞伎座5階ギャラリーのパネルです。)

歌舞伎の歴史は、出雲阿国が京都で「かぶき踊り」を始め、それが瞬くうちに広まって遊女を含めた女性たちの「おんな歌舞伎」や前髪の残る少年たちの「若衆歌舞伎座」といった歌舞伎が出来たそうです。しかし、風紀を乱すという理由で一度幕府に禁止され、女性が舞台に登場することも禁止されてしまいます。その後成人男性を中心に「野郎歌舞伎」が始まり、今日の歌舞伎の基礎が出来上がりました。出雲阿国から起算するとなんと400年以上の歴史があるんですね!

私が歌舞伎座の見学で最も心に残った言葉があります。それは「歌舞伎の大きな柱は『伝承』と『創造』である」という言葉です。

歌舞伎において、変わらず『伝承』され続けるもの。それは、「既存の考えにとらわれることなく流行や面白いものを貪欲に取り入れ、人々を楽しませる」という精神。その精神のもと、歌舞伎を成り立たせている音楽、踊り、芝居の3要素において人々をとにかく楽しませるためにどうしたらいいか『創造』し続ける。歌舞伎とは長い歴史を積み重ねながら、常にその時代のトレンドを取り入れ進化していく、生き物のような芸術だと感じました。

400年以上の歴史を積み重ねながら、今日まで多くの人々を楽しませてくれる歌舞伎は、まさに日本の誇れる文化。

私は数年前に一度、13代目市川團十郎白猿様が演じる勧進帳を拝見したことがあり、その時はあまりの迫力にただただ圧倒されたのですが、今度は今回学んだ歌舞伎の背景や、日本舞踊の講座で伺ったことを頭に置きながら歌舞伎を拝見してみたいと思います。きっと、全く違う景色が広がるような気がしています。

( 歌舞伎座4階に歴代の演者のパネルが) ( 顔ハメパネルもありました!)

余談ですが、島根県出雲市、出雲大社のすぐ近くに出雲阿国のお墓があります!芸能の神様として芸能人の方も来られるそうです。島根県にも美味しい地酒がたくさんありますし、出雲大社は鳥取県からも車で移動できる距離なので、是非出雲阿国のお墓参りの後は、山陰の地酒を楽しんでみてください♪

出雲阿国の墓|出雲観光ガイド【出雲観光協会公式ホームページ】 (izumo-kankou.gr.jp)

●追手風部屋 床山 床風様談義、大銀杏髪結実演

続きまして、大相撲の追手風部屋から床山の床風様と大奄美関にお越しいただき、床風様が床山になられた理由や床山についてのお話を伺い、その後大奄美関の大銀杏髪結実演を拝見いたしました。

(床風様講義の様子)

まずお恥ずかしながら、私は今回初めて床山という職業を知りました。

床山は、義務教育を終了した19歳以下の男子しかなれず、全国で定員(50名)が決まっているためなりたくてもなれない場合があるそうです。床山にも階級があり(特等、一等、二等、三等、四等、五等)、年数で上がっていくとのことでした。

床風様のお話の中で最も驚いたのは、髪結の教科書等は無く、鏡を使わずに髪を結うということ。もちろん床山の世界に未経験で入るわけですが、先輩の結う姿を見たり言われることをよく聞いて、ひたすら練習をしながら覚えていく。鏡を見るのではなく、とにかく力士の髪と向き合い、自分と向き合い、感覚を磨く。床山の技術そのものが伝統で、そのようにして技術が伝承されていくというお話に、歴代の床山の方々が紡いできた伝統と歴史、そして床山としての仕事にお一人お一人が誇りを持っていらっしゃるからこそ、現代までその技術が継承されているのだと感じました。

実際に床風様が大奄美関の大銀杏髪結をされているところを拝見させていただきましたが、ただ髪を結うのではなく、床風様が大奄美関の髪質はもちろん人柄を熟知された上で愛と尊敬を持って結っていらっしゃること、そして大奄美関の床風様への全面的な信頼と感謝がひしひしと伝わり、素敵な関係すぎて思わずうるっときてしまいました。

(大銀杏髪結実践の様子。左から2枚目の髪の毛を揉み込む作業(力士の髪の癖を取ったり、結び跡をとる作業)が最も重要な作業!)

そもそも大銀杏は十両以上の力士しか結うことが許されず、床山としても一人前と認めてもらうためには大銀杏の習得は必須!習得までに5〜10年はかかるそうです。また、自分の身体が商売道具の力士にとって髪の毛というのは大切な身体の一部。その身体の一部に触れることを許されるという意識が、床風様の貪欲な技術向上、鍛錬に繋がっているのだと思います。

そして大奄美関。大奄美関のお言葉で、「自分は相撲好きな祖父の影響を受け、気づいたら力士になっていた。正直なところ辞めたいと思うことはたくさんある。だけど、明日まで頑張ってみよう、を繰り返して今日まで頑張って来れた」というお言葉が印象的でした。大奄美関も床風様も自分の職業に誇りと責任感を持ち、日々進化を続けていらっしゃる姿は、Miss SAKEとして活動していく上で非常に見習いたい姿勢でした。

歌舞伎同様、江戸時代からどの時代にも根強いファンを作り、人々を楽しませてくれる相撲。どの時代にも愛される文化の秘訣というのは、長い歴史の中でもその始まりや本来の目的を見失わず、時代のトレンドとうまく融合していくことなのかもしれません。

大奄美関、床風様、本日は貴重な講義をありがとうございました。

(サインを書けるのは十両以上の力士。大奄美関のサインを頂きました!)

●理学療法士が推薦するお酒との付き合い方~実践むくみ解消メソッド~

(株式会社インダストリアル・リエイゾン専務、Joy of Sake Tokyo事務局、理学療法士 松井理絵子様)

最後に理学療法士でいらっしゃる松井理絵子先生から、肩周りをほぐすストレッチや、足のむくみ取りマッサージをご教示いただきました。

(みんなで肩周りのストレッチ中。お着物を着る前にすると肩周りのラインが綺麗になるそ

うです!)

お酒を飲むとどうしてむくんでしまうのか?これは、アルコールの利尿作用によって尿として身体の水分を排出したり、アルコール分解に水分がたくさん使われることによって、体内の水分が不足するため、老廃物等の流れが悪くなり、むくみが起こってしまうそうです。改善策としては、お酒を飲んでいる途中や飲酒後少し時間が経った後でも、しっかり水分をとって身体の循環をよくすること、また、塩分の排出を促すカリウムがたくさん入っている食材(切り干し大根や枝豆等)を摂取することで、むくみは防止できると学びましたので、お酒を飲む際に早速意識してみようと思います。

もし、むくんでしまったとしても大丈夫!松井先生より、3分でできるむくみとりマッサージを教えて頂きました!Instagramに動画でまとめましたので、是非ご覧ください。

https://www.instagram.com/reel/CrO9kpBBK2b/?igshid=YmMyMTA2M2Y=

マッサージをした方の足としてない方の足の太さがこれだけ変わるものか!!と驚きの効果を体感いただけると思います♪

そて、松井先生はお酒の輸出入やJOY OF SAKEという、アメリカ最大の日本酒イベントも運営されていらっしゃいます。JOY OF SAKEとは、日本国外で最も長い歴史をもつ全米日本酒歓評会を一般のお客様にも楽しんでいただけるよう、歓評会に出品された全てのお酒を利き酒として楽しんでいただけるイベントです。ホノルルで第一回目のJOY OF SAKE開催以降、サンフランシスコやニューヨーク、東京、ロンドンと開催地を広げ、グローバルな利き酒イベントとして海外の人たちから非常に人気!出品する酒蔵さんも、初めは42蔵126品だったのが、今では約550品目が出品され、幅広い日本酒を海外で体験していただける機会を提供してくださっています。海外でこれだけの日本酒を一度に楽しんで頂ける機会というのはなかなかないので、松井先生のお話を伺いながら、私個人的にはまだ開催されていないアジア圏の方々にもそういった機会が提供できるといいな、私がMiss SAKEとしてタイを中心としたアジア圏でのJOY OF SAKE開催にお役に立てると嬉しいな~・・・。なんてことを考えておりました◎これからますます世界から日本や日本酒への関心は高まってくると思います。そのときに、私たちMiss SAKEが自国の文化や日本酒のこと、各蔵の思いをきちんと海外の方々に伝えられるよう残りのナデシコプログラムや、県内での活動に取り組んでいきたいと思います。

松井先生、本日はご講義いただきありがとうございました!

今回のナデシコプログラムでは、「誰かのために、は自分の中に強いエネルギーが湧いてくるし、人に喜んでもらうために、自分には何ができるか」そういった意識が、文化や伝統の継承と発展に繋がっているように感じ、私自身も「誰かの何かのきっかけになりたい」そのためにもっと自分自身を磨いていきたいという気持ちが湧き出た1日でした。

残すところナデシコプログラムもあと10回。改めて一回一回自分の中で目的意識をもって取り組みたいと思います。