第17回ナデシコプログラムレポート(2024.05.25)

皆さま、こんにちは。

2024 Miss SAKE 鳥取の林原 有香です。

ナデシコプログラム17回目の講義を受講させていただきました。

  • 「投資について」:WealthPark研究所 所長 加藤航介様
  • 「食について」:FOOD GROOVE JAPAN代表 鈴木基次様
  • 「土佐あかうしについて」:高知県農業振興部畜産振興課 課長補佐 公文喜一様

 

もし投資の無い国に生まれたら?自分、お金、社会の本当がわかる

加藤様より、生きていく上で大変有用なトピックをワークショップ形式で多くお話いただきました。

  • 人生は選択の連続
  • 世の中は投資で溢れている(個人、家庭、学校、国)
  • 投資とは社会の豊かさと幸せを作るタネ
  • 正しい投資が、人々と社会の豊かさを決める
  • 豊かな社会を作る5つの社会参加
  • 選挙と投資の共通点
  • 投資したお金が増える理由
  • 大臣になって考える世界各国に必要な投資
  • 日本の強み・弱み、お金の投資の現状
  • 社会に参加する「お金の形」と、投資の代理人
  • 政府と民間が行うべき投資とは

日常生活や過去を振り返る場面や、アメリカ、フランス、ウクライナ等の国の大臣になったらどこにどのように資金を投入するのか等、自分自身から世界レベルの話まで、幅広い思考の変換を行うことのできた時間でした。

Miss SAKEとして国内外で活動していくにあたり、日本酒、日本文化のみならず、世界の方々とのコミュニケーションを充実させるには世界情勢についても引き続きアンテナ高くいることも必要であると改めて感じました。

「投資」と聞くとお金儲けの話と感じ敬遠してしまうこともあるかもしれませんが、

投資の漢字を分解してみると、「投」と「資=次+貝(貝は昔お金の代わりであった)」にわけられ、お金を将来に投じるという意味となり、より良い未来を創造するために必要なものとなります。

私の好きな言葉に、ペイフォーワード(Pay it forward)という言葉があります。自分が受けた善意を他の誰かに渡すことで、善意をその先につないでいくことですが、正にこのことがより良い社会を造っていくのではないかと思いました。誰かに何かをしていただいたら、感謝をその方に伝えるのみではなく、別の誰かへ送ることができれば多くの人を巻き込んで、良い循環が生まれていくのだと思いました。

  

生産者から消費者へ

FOOD GROOVE JAPAN代表の鈴木様より、生産者と消費者を直接結びつける取り組みの重要性についてお話いただきました。

FOOD GROOVE JAPANは、生産者の想いと努力を消費者に直接届けることをミッションとしています。食材の質や安全性を重視し、消費者が安心して商品を選ぶことができるよう、情報の透明性を確保しています。彼らの目指す社会は、生産者、飲食店、消費者が相互に学び合い、持続可能な地域経済を築くことです。

鈴木様は、料理人でもあり、生産者との直接的な繋がりを大切にし、その想いを料理を通じて消費者に伝えています。飲食店の経営もされていらっしゃいますが、各地の特産品を使用した料理を提供し、地域の魅力を広めていらっしゃいます。

現状の実態として、消費者が正しい情報を基に商品を選べていない、食の現場で働く方々が食材や生産者の情報を十分に知らない現状があります。

例えば「いくら」はオイルであり肌に非常に浸透しやすいという特徴があるそうですが、それを把握しているお寿司屋さんはあまりなく、おいしさだけではなく、食品の持つ特徴や効果についても把握しPR材料として生産者、飲食関係者、消費者の間で情報が分断されないようにすることも一つの方法であるとおっしゃっていました。

FOOD GROOVE JAPAN様の活動から学び、地域の特産品を広く紹介し、地域の活性化に貢献するための取り組みを続けていきたいと思います。

鳥取県は、海産物や梨、砂丘らっきょうなど、多くの特産品に恵まれています。これらの特産品も、生産者の想いと共にPRし、鈴木様の日本各地での取り組みのように、地域の魅力を消費者に伝えていきたいと思います。

 

土佐あかうしについて

今回講義いただいた高知県農業振興部畜産振興課の課長補佐である公文喜一様は、土佐あかうしの専門家として、獣医師としての経験を活かし生産者と共に取り組んでこられました。和牛全体の紹介から始まり、特に土佐あかうしの歴史とブランド化への挑戦についてお話いただきました。

牛肉の格付制度が導入されたことで、黒毛和牛の霜降り肉が高く評価される一方、赤身が特徴の土佐あかうしはその価値が十分に評価されにくい状況にあります。これにより、生産者の収入が減少し、土佐あかうしの頭数も減少の一途をたどっているそうです。

しかし、西洋のシェフたちからはその旨味が高く評価されており、赤身肉の良さが少しずつ認知され始めていると伺いました。日本ではなく、海外で評価されていることで、日本でもその価値が更に評価されていくことが望まれます。

土佐あかうしは、和牛4品種(黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種)のうち、高知県で飼育される褐毛和種に分類されます。黒毛和牛に比べて、適度な脂がのった赤身の美味しさが特徴です。

土佐あかうしの歴史は明治後期に始まり、当時は主に労働力として利用されていました。しかし、和牛の価値が肉用に変わるとともに、改良が進み現在の土佐あかうしが誕生しました。黒毛和牛と比較してその穏やかな性格と愛らしい外見も特徴で、牛の大会ではわざわざ土佐あかうしの写真を撮りに来られる方もいらっしゃるそうです。

高知県では、赤身肉の美味しさが再評価される中、独自の評価制度「TRB格付け(Tosa Rouge Beef)」が導入されました。この取り組みにより、従来のA2A3ランクの土佐あかうしが再評価され、その価値が見直されています。また、消費者の健康志向の高まりに伴い、土佐あかうしには健康に良い「オレイン酸」や「アミノ酸」が豊富に含まれていることも注目されています。

土佐あかうしはこれまで見たことがありませんでしたが、講義を通じて、業界と生産者の現状についても理解することができ、土佐あかうしの持つ可能性も感じることができました。

鳥取県では鳥取和牛が有名ですが、和牛を含む出身地の食の現状について学び、調べ、どのように地域産業に貢献していくことができるのかを考え周囲を巻き込みながら行動に移していくことは、食に関わるMiss SAKEとして積極的に行っていく必要があることだと思います。日本から世界へ食産業を展開していくためにも、これから行動に移していきたいと思います。