第9回ナデシコプログラムレポート(2024.04.20)

『世界に発信するために、日本酒の理解を深め、無限の可能性を生み出す』

皆さま、こんにちは。

2024 Miss SAKE 鳥取の林原 有香です。

ナデシコプログラム9回目の講義を受講してまいりましたのでご報告します。

  WSET日本酒レベル1講義・試験 /キャプランワインアカデミー 鈴木更紗様

WSETについて>

WSETは、ロンドンに本部を置く世界最大のワイン教育機関です。 ワイン産業をサポートする英国のワイン商組合『Vintners Company』により1969年に創設され、現在では世界70カ国でWSETの教育組織が運営され、年間約110,000人が認定試験を受験するなど、国際的に認められている認定資格です。

WSET 日本酒レベル1>

日本酒に関わる仕事を始めようとしている人や、日本酒に興味のある一般の方におすすめの初心者レベルのコースです。この資格では、初めて日本酒について学ぶ人を対象に、日本酒の概論を実践的に紹介します。日本酒の主なスタイルおよびタイプを視覚、嗅覚、味覚を通して学び、風味と香りに影響を与える重要な要素について理解を深めます。

この日の最後に試験があったため、コース内容は以下のように日本酒の原料からペアリングまで盛りだくさんの内容でした。

  • 日本酒の原料
  •   製造工程
  • 区分と分類
  • テイスティング入門
  • 様々なスタイルの日本酒の製法
  • 日本酒のラベル表示
  • その他特徴のある日本酒
  • 日本酒の品質保管と提供方法
  • 日本酒と料理

途中、製造工程や区分と分類について、単語の記載してあるカードを並べ替え、手を動かしながらのワーク時間もあり、理解しきれていなかった部分への理解も深まっていきました。

日本での利き酒師の資格と比較した際、WSETは、より化学的なアプローチになっているそうです。特に糖の生成については、以下のように大変わかりやすい説明があり、さらに理解が深まりました。

<糖の生成について>

  • 米には糖分はないが、デンプンを多く含む。
  • デンプンは、長い鎖状に結合された糖分子からできているが、酵素という化学物質によってこの結合が分断され、デンプンを個々の糖分に分解する(デンプンの糖化)。
  • 酵素は麹(蒸米に麹菌が繁殖したもの)によって生成される。麹が日本酒作りにとって非常に重要なのはそのため。

蒸米と麹に水を加えて混ぜると、麹菌によって生成された酵素がデンプンを糖に転化する。その後、酵母がその糖からアルコールを生成する。そしてその一連の過程を1つのタンクの中で同時に行われるため、この発酵工程を「並行複発酵」と呼び、日本酒造りの特徴となっています。

最近では日本酒には必ずしもお寿司等の和食のみではなく、多様な料理やスイーツまでも日本酒とペアリングされ新たな魅力が引き出されています。

<日本酒と料理のペアリングの際の重要ポイント3つ>

・ほとんどの日本酒は、ほぼどのような料理とも調和するので、個人的な好みが重要となる

・料理と日本酒の風味の強さを同じにする

・甘口の料理には同じ甘味を持つ日本酒を組み合わせる

私は異文化が好きでよく多国籍料理を食べるのですが、例えばベトナム料理、スペイン料理、イタリア料理等、日本酒とペアリングしてぜひその国の方々にもおすすめしてみたいと思います!「Wow!」という感動を生み出し、日本酒に興味を持っていただくきっかけ作りをしていきたいです。考え出すととてもワクワクします♪

日本酒の調和力を活かし、世界の様々な食文化と組み合わせていくことで、日本酒の可能性は無限大に広がっていると感じました。

因みに、WSETはもともとワインに詳しい方が多く受講されているのですが、ワインを学んでこられた方の日本酒への反応を鈴木先生に伺ったところ、

・楽しめる温度の幅が広い

・安価で品質も良い(コスパが良い)

等というコメントが多いそうです。

もっと価格を上げてもよいようですが、そのあたりはこれから仕組みを勉強していきたいと思います。銘柄や区分に拘らず、とにかく高価な日本酒を求める方(特に海外の方)もいらっしゃいますが、ただ高い、というのではなく、どのようなオリジナリティ、付加価値をつけていけるのか、私も考えていきたいと思います。

ワインの価値は、原料となる葡萄と畑での作業で9割決まるそうですが、日本酒は原料の米よりは、日本酒の造り方の方が大事になるそうです。

米や水の違いによっても変わりますが、日本酒では特に酵母が大きな変数となり、同じ酒米を別の地域で生産したとしてもワインのように大きな違いになることはないそうです。

「伝統的酒造り」のユネスコ無形文化遺産登録が検討されている最中ですが、すでに登録された「和食」のように「酒」そのものではなく、杜氏さんや蔵人さんが手作業で築き上げてきた伝統的な「造り方」にフォーカスされている理由はそこにあるのだろうなと思い、杜氏さんや蔵人さんの職人技についても日本酒を広める際に、私なりにしっかりとお伝えしていきたいと思いました。

講義終了後は、WSET SAKE Level 1の試験を受験しました。結果は後日となりますが、Miss SAKE JAPANとなったら次のステージWSET SAKE Level 3を受講させていただけるため、Miss SAKE JAPANとなり、しっかり知識も身に着けた日本酒アンバサダーとして活躍いていきたいと感じた講義でした。

鈴木様、ありがとうございました。