第8回ナデシコプログラムレポート(2024.04.14)

Miss SAKEとして未来に繋げる』

 

皆さま、こんにちは。

2024 Miss SAKE 鳥取の林原 有香です。

ナデシコプログラム8回目の講義を受講してまいりましたのでご報告します。

  

  • 国民の義務 税理士による租税教室 / uc&i税理士事務所 代表 税理士 小池俊様
  • 貴女にとってのMiss SAKEの可能性を考えよう / Exa Innovation Studio代表 方健太郎様
  • Sakeから観光立国 / 株式会社コーポ・サチ代表取締役 平出淑恵様

国民の義務 税理士による租税教室 / uc&i税理士事務所 代表 税理士 小池俊様

 

納税は国民の義務ですが、税金が必要な理由は大きく以下です。

・豊かな生活のため

・健康に生きるため

・文化的に暮らせるため

・安心して暮らせるため

消費税等はみなさんにとっても身近な税金かと思いますが、税金の種類は約50種類もあり、1種類だと公平性が担保できないため、50種類を組み合わせることでできるだけ公平を感じられる仕組みとなっているそうです。ここで重要なのは、平等(Equality)ではなく、公平(Fairness)であるという点です。

日本での税制度の改革・確立には、アメリカの財政学者シャウプ博士が大きく影響を与えました。申告納税制度の水準の向上を図るための青色申告制度もシャウプ博士によって導入されましたが、一方で、日本の税制度で優れていたものもありました。それは「源泉徴収制度」です。海外では施行されていなかったため優れた日本の制度として認められ、この制度はシャウプ博士によってアメリカに持ち帰られたそうです。

小池様からのメッセージとして、日本は申告納税制度を採用していますが、税務署の人は申告された内容を確認するのが役割であり、納税額が安くなる方法等を教えてくれるわけではありません。納税者自らが税金への正しい知識を持ち、正しい対応を知って行うことが必要である、と強調されていました。

全国の税理士人数は7.8万人だそうで、そのうち東京に約2万人いらっしゃり、地方では特に不足しているそうです。その税理士の平均年齢はなんと65歳だそうです。

11科目中5科目に合格が必須ですが同時に全て合格する必要はなく、一度資格をとってしまえば期限なく保持でき、高齢になっても活躍できるとのことで、ライフステージに合わせて勉強・勤務できる、女性にやさしい職業であるので女性の方にもぜひ挑戦してほしいとおっしゃっていました。

講義中、2070年から来た未来人と、現代に生きる世代について別れ税金徴収の方法についてグループディスカッションを行い、現在を優先するか、未来に向けて方策を練るか、普段考えることの少ない内容でしたが、今回の講義を機に生活における税金についてより意識を向けていこうと思いました。

小池様、ご多忙のところ講義をいただきありがとうございました。

 

貴女にとってのMiss SAKEの可能性を考えよう / Exa Innovation Studio代表 方健太郎様

パリとロサンゼルスを拠点に日本企業等へのコンサルティングを手掛けていらっしゃるExa Innovation Studioの代表、方健太郎様にブランドについて講義いただきました。2022 Miss SAKE Japan 磯部里紗さんがご勤務先ということもあり、磯部さんにもご同席いただきました。

方様からの、世界的ブランドが有名になったのは何故か?銀座に世界的ブランドがひしめいているのは何故か?超富裕層が旅行に行くとしたら何で旅行先を決めるか?等、ファイナリストから多様な意見を集めながら、大変インタラクティブな内容で思考の幅が広がっていくのを感じた講義でした。

ブランドの確立には、適切なターゲットを定め、効果的なアプローチを仕掛けていくことが重要となります。1980年代に日本人女性が海外旅行に行くようになり、海外でブランド品を購入したことから世界的に有名になったハイブランドも多くあるそうです。結果、購買力・購買意欲もある日本人女性をターゲットとして海外のブランドながらも銀座で次々と店舗がオープンしていったという背景があります。

LVMH(仏高級ブランド「ルイ・ヴィトン」を傘下に持つモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の会長は、世界の富豪として常にトップ層に位置づけられており、2024年版世界長者番付でも首位となっていますが、そこには日本人女性の購買欲も多大に貢献されているのかもしれませんね。

方様は、コトとヒトによる観光が日本には発達していないとおっしゃっていました。海外の大都市のように、ファッションや映画等の世界的イベントもあり才能あるタレントを惹きつけるような力が日本には不足しているようです。

富裕層は彼らが好きで、評価しているもの、文化的にすばらしいものを支援する傾向が強いそうです。日本酒の国内消費が減る中で、日本人が日本酒をもっと消費すると同時に、輸出が伸びている今、特に海外の富裕層の方に日本酒のファンになっていただくことが重要となります。

日本酒はコトとヒトによって集客できる多大なる可能性を秘めています。

そんな日本酒をどう伝えていくか、どのようにコトやヒトで魅了できるのか。美味しさ、味わい、は実際に飲んでいただいて評価してもらえれば良いですが、そこに至るまでの導線をどう描くのか、一口飲んだ際の「Wow!」という体験をどう生みだせるのか、Miss SAKEとして、Miss SAKEだからこそ出来ることもあると思っています。造り手はもちろん、日本酒に関わっている方それぞれのストーリーを意識して吸収し、気づきを得ていきたいと思います。

講義の最後、方様がおっしゃっていましたが、Miss SAKEを自分の人生にどう生かすのか?Miss SAKEを上手く使うことをアドバイスいただきました。私は、Miss SAKEだからこそできる経験、繋がることのできるご縁も大切にしながら、地域、日本酒業界、日本、そして世界の食の発展に貢献し、自身のキャリアアップにも繋げていきたいという思いでおります。それが延いては自身のブランド力となり、更なるコラボレーションや貢献を生み出していける人材になりたいと思っています。

方様、磯部さん、限られた日本滞在時間にも関わらず、お時間いただきありがとうございました。

 

Sakeから観光立国 / 株式会社コーポ・サチ代表取締役 平出淑恵様

平出様は前職にて、長年JALの客室乗務員として海外を飛び回る中、ワインのソムリエ資格を取得されワインに親しまれてきました。

ワインの世界での経験から、日本酒もワインと同様の「共感と共有」を通じて国際化できるのでは、と考えられ、ワインの普及のポイントとなった教育、品評会、プロモーションなどの活動を通じて日本酒の価値を高め、日本酒を通じて日本の文化を世界に広め、観光立国を目指す取り組みを行っていらっしゃいます。

1 教育

世界に通用する Sake の体系的な教育プログラムをつくり、グローバルなワインビジネス関係者の中に Sake の専門家を生み出す。

世界的なワインの教育機関であるWSETでの日本酒コースの開講

2、品評会

きちんと Sake 教育を受けた専門家によって品質の良いものを世界に発信する。

国際的なワイン品評会であるIWCでの日本酒部門の創設

IWCは、ワイン業界における重要な評価の一つとして知られており、受賞したワインは市場での評価が高まることが多い。日本酒部門において受賞した日本酒も同様に、市場での評価を高められる

3、 プロモーション

業界向け、消費者向けのプロモーションを絶え間なく続ける。日本酒メーカーは小規模なところが多く、海外展開を見据えたプロモーションを続けていくには体力が限られるため、国内外の日本酒応援団を創出

プロモーション人材にあたる「酒サムライ」を国内外から毎年認定

これらの活動は平出様が働きかけて実現されてこられたことです。更に、日本酒が「国酒」となったこと、外務省における外交官赴任前研修への日本酒講座の組み込み等にも平出様のご尽力が影響しており、多方面で日本酒の普及にかける平出様の想いにこちらも大変熱くなりました。

また、日本酒の地域性や水質分析によるブランディングを通じて、日本酒の地域性を世界にアピールし、日本の国土の価値までも高めていくというお話からは、日本酒の持つポテンシャルの高さと平出様のお考えに改めて感動し、Miss SAKEとしての私たちの活動も地域や日本の国土の価値向上に微力ながらも繋がっていくと考えると使命感を感じ、大変身の引き締まる思いでした。

ナデシコプログラムでもWSETの講義を取り入れていただいていますが、レベル3まで取得し、私もいつかIWCでの品評会に審査員として参加してみたいと思いました。

講義後半、平出様に民間レベルでの日本酒教育についてお伺いさせていただきましたが、国レベルから消費者レベルに日本酒を普及させる部分にはまだハードルはあるとのことでした。私も、これまで海外で生活、勤務する中で、そのように感じている部分はありましたので、すでに取得している国際日本酒講師の資格や知識も活かし、身近なところから日本酒に親しんでもらえるきっかけ作りを行いたいと思います。また、外交官ではなくとも、海外現地の方と多く接し、現地で日本人としてのおもてなしの機会も想定される民間企業の海外駐在員の方向け日本酒セミナーの開催等にも関わっていけたらと思いました。

平出様、お忙しい中貴重なお話をいただきありがとうございました。